降雪ケーブルとは、内蔵された温度や圧力センサーにより、地表の着雪状態やその重みの引っ張り応力、大気や周辺の温度を計測したデータを送るための設備のことです。
データを分析することで発生中の積雪状況を把握できるほか、現在降雪が起こりやすいかも予測することが可能です。必要な降雪対策を素早く行うために、現代の雪国の道路にとって重要な設備のひとつといえます。その降雪ケーブルは、融雪剤に弱いという難点があります。
雪国で特に多く使われる、融雪剤の主成分である塩化カルシウムが、金属を腐食させてしまうためです。対策のひとつは融雪剤の成分を変えることですが、塩化カルシウムに変わる融雪剤はコストが高く、現実的ではありません。2つ目の対策は降雪ケーブル表面の材質を変えることです。塩化ビニール皮膜に覆われているものであれば、塩化カルシウムにもある程度の期間は耐えることができます。
ですが、降雪ケーブルに融雪剤が長期間付着したり、過酷な環境化におかれていた場合は、内部に塩化カルシウムが徐々に浸透してしまい、劣化が早まってしまいます。そこで、さらに降雪ケーブルを物理的な接触や風雨から保護するためのカバーで覆ったり、対塩害性能をさらに向上させることができる塗料を塗る、といった追加の対策が求められます。特に敷設からまだ年数が経ってない場合や、予算が限られる時などの、既存の設備を生かしたい時に取ることができる方法といえます。